資金繰りの選択肢は、ファクタリングと銀行融資だけではありません。
事業者様のご相談を伺っていると、「ビジネスローン」「手形割引」「補助金」「クレジットカード払いの後ろ倒し」など、複数の選択肢が候補に上がることがあります。
「どれが自社に合うのかわからない」<br>「今回はファクタリングでよいのか、他の方法のほうがよいのか」
こうした迷いは自然なものです。
この記事では、ファクタリング以外の主な資金調達手段について、それぞれどのような場面で比較されやすいのか、どんな観点で選ぶとよいのかをわかりやすく整理します。
そもそもの仕組みや向いているケースを先に知りたい方は、ファクタリングとは?仕組み・向いているケース・相談前に知りたい基本を解説からご覧ください。
選択肢はひとつではない
資金繰りの手段には、大きく次のようなものがあります。
- ファクタリング
- 銀行融資
- ビジネスローン
- 手形割引
- 補助金・助成金
- クレジットカード決済(支払い後ろ倒し)
- 取引先との支払条件交渉
それぞれ、目的、スピード、条件、負担のかかり方が違います。
そのため、「どれが優れているか」という単純な比較ではなく、「どの手段が今の状況に合うか」を考えることが大切です。
ファクタリングと銀行融資は目的が違う
まず前提として、ファクタリングと銀行融資は、目的が少し違います。
- 銀行融資は、将来返済するお金を借りて、事業全体の資金計画を立てるための選択肢
- ファクタリングは、すでに発行済みの請求書を活用して、入金日より前に資金化を検討する仕組み
したがって、中長期の資金計画なら銀行融資、直近の支払いと入金のズレを整理したいならファクタリング、というのが出発点になります。
詳しくは、ファクタリングと銀行融資の違いは?資金繰りで迷ったときの考え方もあわせてご覧ください。
ビジネスローンとの比較で見たいこと
ビジネスローンは、事業者向けの融資の一種で、比較的スピーディに手続きできるものが多い一方、返済負担が発生する点は銀行融資と同じです。
比較で見たいのは次の点です。
- 返済負担を負う前提でよいか
- 短期のつなぎか、中長期の資金計画か
- 今回対象にできる請求書があるかどうか
「請求書はあるが入金がまだ」というケースでは、ビジネスローンを組む前に、まず売掛金を活用できないかを検討する余地があります。
手形割引との比較で見たいこと
手形割引は、受け取った手形を金融機関などに買い取ってもらい、期日より前に現金化する方法です。
手形取引の慣習が残る業界では選択肢になりますが、次の点が違いになります。
- 手形取引を行っているかどうか
- 対象があくまで手形か、請求書ベースか
- 現在の取引が電子化されているか
手形取引がない事業では、そもそも比較対象になりません。
一方、請求書ベースで動く事業では、ファクタリングが比較対象として近い位置づけになります。
補助金・助成金との比較で見たいこと
補助金・助成金は、条件を満たせば返済不要の資金を得られる可能性がある選択肢です。
ただし、次のような特徴があります。
- 対象事業や要件が明確に決まっている
- 申請から入金までに時間がかかることが多い
- 事業計画書などの準備が必要
そのため、直近の支払いに間に合わせたい局面ではやや使いにくく、中期的な資金計画として活用するのが一般的です。
クレジットカード決済(支払い後ろ倒し)との比較
法人カードで支払いを一時的に後ろ倒しにする方法もあります。
- 少額なら比較的手軽
- 引き落とし日までは負担を先延ばしにできる
- ただし翌月の引き落としで結局同じ問題が起きやすい
つまり、単発の資金繰り対応にはなりえますが、根本的な入金と支払いのズレは解消しません。
取引先との支払条件交渉との比較
「入金サイトが長い」ことが根本原因になっている場合、取引先との条件交渉が選択肢になることもあります。
- 継続取引で信頼関係がある場合には有効
- 一方、大きな取引先や既存契約では現実的に難しいこともある
- 交渉が実現するまで時間がかかる
そのため、直近の支払いをまず整えたいという場面では、他の選択肢と併用して検討することが多くなります。
どの選択肢を選ぶかを決める4つの視点
複数の選択肢の中から選ぶときは、次の4点を整理すると比較しやすくなります。
1. いつまでに必要か
必要時期が数か月先なのか、数日以内なのかで、選ぶべき手段は変わります。
2. いくら必要か
まとまった資金なのか、直近の支払い分だけなのかで、比較対象が変わります。
3. 返済負担を負ってよいか
融資系の選択肢は返済負担が発生します。ファクタリングは借入ではないため、その点で違いがあります。
4. 今回対象にできる請求書があるか
請求書があるなら、まず売掛金の活用を検討したほうが実務的なことがあります。
「どれか一つに決める」より、「今の状況に合うものを検討する」
資金調達の比較で大切なのは、「どれが優れているか」ではなく、「今の自社の状況に合うのはどれか」です。
たとえば、
- 中長期の設備投資 → 銀行融資
- 補助金の要件を満たす → 補助金
- 手形取引がある → 手形割引
- 請求書はあるが入金がまだ → ファクタリング
- 直近の少額のズレ → クレジットカードやつなぎ
というように、目的と状況によって整理していきます。
相談前に整理しておきたいこと
複数の選択肢から選ぶときも、まず整理しておきたいのは事業者様側の状況です。
- 今回対象にしたい請求書
- 入金予定日
- 今回必要な金額
- いつまでに必要か
- なぜ必要か
- おおよその月商
- 過去の利用履歴の有無
書類の詳細は、ファクタリング相談に必要な書類は?事前に準備しておきたい資料一覧にまとめています。
まとめ
ファクタリング以外にも、銀行融資、ビジネスローン、手形割引、補助金、クレジットカード決済、取引先との支払条件交渉など、資金繰りの選択肢は複数あります。
大切なのは、どれが優れているかではなく、必要時期、必要金額、返済負担、対象請求書の有無を整理したうえで、今の自社に合う方法を見つけていくことです。
「請求書はあるが入金がまだ」という状況では、ファクタリングが比較対象になりやすいことが多いですが、状況によっては別の選択肢のほうが適していることもあります。
まずは、自社の状況を整理したうえで、複数の選択肢を落ち着いて比較していくのが進めやすい方法です。
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